『居眠り高校生との戦い その1』


先日、私は京浜東北線に乗っておりました。座席は満席で目の前にはそれぞれ制服の違う高校生が3人。

これから書く話は図解しないと非常に説明しづらいので図解入りで話を進めます。

○○◎|●○ これは何かというと、座っている人の並びです。

左から○○一般人2人 ◎戦う高校生A君 |バー ●居眠り高校生B君 ○無関心高校生C君

私が電車に乗ったときにはすでに居眠りB君は、おとなしそうな少年A君にカックンカックンと頭を揺らしていました。さすがにおとなしそうなA君も不愉快らしく頭を肩に乗せられては左肩を微妙に上げて応戦します。

しかし、居眠り高校生は起きるどころか揺れがだんだん大きくなり、A君の肩をラブリーな恋人の肩とでも思っているかのごとく頭を擦り寄せてきます。おとなしそうなA君も、もう我慢の限界です。相手にわかるほどの勢いでB君の頭に肩で攻撃をかけます。しかしB君は起きる気配もなく、明らかにA君の形勢不利です。しかしここで席を立ってはA君は負け犬です。意地でも立つわけにいきません。2駅ほどそのまま苦しい戦いは続きましたが、とうとうA君の形勢に光が射しました。

左にいた2人の一般人が席を立ち電車を降りたのです。A君はそそくさと席を一つずれました。

 ◎←|●○

A君の勝利とは言えませんが、とりあえずB君の居眠り攻撃から逃れることができました。しかし、戦いはこれで終わったわけではありませんでした。居眠りB君は一つ先の席に座るA君の膝に頭が届きそうなほどに倒れ込みそうになってはどうにか起き上がっていきます。席を一つ離れたとはいえ、A君の心は二つ隣の居眠りB君から解き放たれることはありません。

 ◎ |●○
    ↑倒れそうになっては復活する居眠り高校生

次の駅でおばあちゃん2人とオバちゃん1人のグループが乗ってきました。そして、まず一人目のおばあちゃんがA君の左側に座りました。

□◎ |●○
↑事情を知らないおばあちゃん

そして、こう言ったのです。「お兄ちゃん、ひとつ詰めてくれんかのう〜」

A君は口を半開きにしたまま放心してしまいました。