『母の好奇心』


正月実家に帰ったとき、は私が買って帰った甥へのお土産をやたらと開きたがった。
「開けてもきれいに包みなおすから、開けてもいいでしょ」と言う。
無視している私につぶやいた母の一言は、私とそこにいた妹を震撼させた。
「昔は手紙でも見れたのに....」
私と妹は頭が真っ白になったまましばらく言葉が出なかった....というか、すぐにその言葉の意味が解らなかった
「おいおいおいおい....俺はかあさんに一度だって手紙を見せたことは無いぞ!」
「あら、息子に来た手紙ぐらい見たっていいじゃない」と母。
「....当時にその話聞いてたら、絶対グレてたぞ....」
私の言葉を無視して新聞に目を移す母。

そうだ、昔もこんなことがあった。あのときに気づくべきだった。

私が小学生の頃、母が兄の部屋を掃除していて本棚の裏から兄の日記を見つけてこう言った。
母「どんな事が書いてあるのか見てみましょうよ。」
私「かあさん、そんなことしちゃだめだよ、兄ちゃんのプライバシーなんだから」
母「あんただって見てみたいくせに。」
私「だめだよ、あった場所に戻しなよ。」
母「いい、あたしが声に出して読んであげる。」
私「かあさん、だめだって....」
母『この前、遊びに行こうとすると弟が付いてきました....』
それは、私が兄に付いて行ったばかりに、足手まといであまり楽しめなかったという内容だった。
....辛い

この正月の事件を高校時代の文通相手だったメグに話したら、「そういえば、あんたの結婚式でお母さんに初めて会ったとき
『あら、あなたがメグさん?まだ結婚はなさってないの?』なんてやたらと親しげだったもんね」だと。
うちの母親はメグと知り合いか!?