留置所日記04「点呼」

一日は点呼で始まる。「起立っ!」

「1号室1番!」(あっ私しかいないから、これ私なのね)

「はい」と私。

「2号室1番!」「おぃ!」

「4号室1番!」「おぃ!」

「4号室2番!」「おぃ!」

「4号室3番!」「おぃ!」

「5号室1番!」「おぃ!」

「5号室2番!」「おぃ!」

「5号室3番!」「おぃ!」

私以外は「はぃ!」とも「おぃ!」ともつかないドスの利いた返事が次々に返されていく。

壁の向こうにはどんな恐ろしい人たちがごやっかいになっとるんやろ…。声は聞こえど姿は見えず。

「掃除!」と当番様。

布団をたたんで、渡された箒と塵取りで部屋を掃く。汚れてもないのに黙々と。

そして、待ちに待った朝食。正直腹減ったばい。

食パン2枚とマーガリン、お白湯が小窓から差し入れられる。なんや、これだけなん?

でも食パン焼かずにそのまま食べるの久しぶり、なんか小学校思い出すなぁ…。

ちなみに、なんでお茶でもなく水でもなくお白湯かというと、お茶は「贅沢」、お水は「お腹でも壊されるとかなわん」という事らしいです。

もちろん牛乳なんてぜいたく品はもってのほか。