14 ガセネタじゃない(1995.1.17-アムステルダム)

そろそろ旅の終わりが近づく。
ペンのインクも薄くなってきた。
よく日記買いたなぁ。

まるでイギリスのB&Bのようなかわいい朝食ROOM。
ゆで玉子のありかが最後になってやっとわかった。
(けど、もう食えん)
昨日いたHotelのおじさん2人は今日はいなかった。
今日はハーノーバーを発ってアムステルダムへ。
11:38の電車へ。
ドイツマルクの小銭を使い果たそうと思って、スーパーとかに走る。
(小銭は外国で両替してくんない)
すごい細かいのばっかり使って、いっしょうけんめい計算してるのを見て、売店のおば
ちゃんは子供を見るような目で笑ってた。

残すは60DMで食堂車へ。
ビュフェにしては、すごいにこやかで調子のいい兄さんがごはん作ってくれた。
ビールを飲んでまたもいい気分で、すぐビュフェの隣の私達の席へ。

なんか、ビュフェで一人で飲んでるおじちゃんがニコニコして私達の方を見てるなぁ
と思ってたら、WCに立った時、廊下でドア開けて待っててくれて、話しかけてきた。
"Are you Japanese?"
"Yea"

なんか東京に昔6ヵ月くらい住んでいたんだっ
て、市ヶ谷で勉強のために。
それで話しかけてきたみたい。
向こうにいるのがMy sisterとMy sister's husbandだよと
か言って、25才だって言ったら、「オー、ベリーリトルな
のになぜ?」とか嬉しそうに笑ってた。
そのおじさん何分かしたら、うちらの席にビール持って話
しにきたけっこう2、30年前に日本に来て、神戸とか札幌、
横浜、青森、仙台、下関、広島とかいっぱいぐる
ぐるしたって。船の仕事しててアムスには仕事
の会議で出かけるって。スキプールヒルトンホ
テルに泊るから、ぜひまた会おう、でもアムスは
 many manyカンパニーの人がうろうろしてて、と
っても危ないから充分気をつけなさいと言ってく
れた。
何度もサッポロカンパーイと言って、すごいゴ
キゲンなおじちゃんだった。
ドイツに住んでてイタリアンネームでペドロ。
いっしょにChangeに行こうって言われてゾロゾロ
ついてった。

私が両替してたら、Change窓口の兄さんがあたしのパスポート見てなんじゃかんじゃ
としゃべり出した。
窓口で聞かれることってAdressとかくらいしかないのに、ペラペラしゃべってわけわか
んない。
パスポートに変なとこがあるのかなぁと思ってペドロにあせって助けをかりたら、何
か日本で地震があって1,300人ダイだってダイってなんだ、死んだって事!!




ペドロと佐予子が手をゆらゆら揺すって地震らしいことを教
えてくれた。
窓口の兄さんに「地震ってTokyo?Where?」と騒ぐと、親切な兄さんはあせって新聞を
調べに行ってくれたけど、「ごめん、News Paperがないよ、でも東京じゃなと思う」
と言ってくれた。
1,300人死ぬなんて、そんなにガセネタに近いくらいすごい人数。
後で日本へのTELのかけかた調べて、かけてきこう。
日本は今何時だ!!
8時間たすのか?引くのか?って混乱したけど何だかペドロがのんきに着いてくる。
アムスは危ないから、Hotelが見つかるまで見届けようって思ったらしい。
でも、うちらもこの重い荷物をホテルに置かなきゃ何も動けない。

ガイド見てダムラークst.ぞいのHotel de Korenearへ。
入口(1F)がレストラン兼ホテル受付になってる。
とにかく部屋を見よう。
3人で行こうとするとペドロがアヤって呼び止めた。
そっか、荷物見てようって。
佐予と紀文さんに部屋見に行ってもらってペドロと待ってると、
ペドロがほっぺたを触って、「もう酔いは醒めたかい」とか言っ
て、「明日夕方仕事が終わったら暇だから、このへんを廻ろう、
ホテルに着いたら部屋の番号を教えるよ」って。
ありがとうとは言ったけど、ちょっと疲れたなぁ。
おじさん手握ろうとかしてやだなぁ。
"I'm very タイアッド."って言ってたら、佐予たちが「すごく広くていい部屋、ここに
しよう。175Gだけど3日いるならね。」って戻ってきた。
やった、早く部屋見たい。
でも「ここまでつきあってくれたからペドロとちょっと飲もうよ」って。
ちょっと、きついなぁ。
4人ででっかいジョッキでビール飲んで、またつたない英語でおしゃべりしてたら、な
んかペドロが文のことすごい気に入ってて。
「もー子供じゃないから、Babyとか言うなっ」って怒ってやった。
でも、「夜も食事しよう」って言ってたペドロだけど、文が先に「もう疲れたし、部屋
が見たいから帰る」って帰ったすきに、佐予子達が、「もう疲れたから、今日の食事は
やめましょう」と断わってくれたありがとう!!

部屋すごい!!
びっくりした。
1家族がおじいちゃん、おばあちゃん付きで住めるぞ、これなら!!

感動している暇はない。
日本にTELして地震がどこで起きたか聞かなきゃ。
駅に!!TELする前に新聞買った。
なんと1面日本のニュースだらけ。
なんかものすごいことになっている。
1,300人死んだって書いてる。
写真見たらJapan Osaka-kobeって書いてて、高速道路がばったり倒れてる。
大阪?神戸?アムステルダムの新聞だからなんて書いているかわかんない。
オランダ語ってわかんない。
でもガセネタでもなんでもない、大変。
紀文さんの兄さん大阪だし、和歌山に家族住んでるし、電話電話。
001とか0061とか回してかけろって書いてんのに通じない。
そーとーあせったけど結局オランダの国番号○○で通じたぞ!!
ジュリちゃんだっ。
ジュリちゃんTVで宮下って名前見てたんだけどわかんないって。
紀文さんが和歌山にTELしてみたけど全然通じない。
恐いよう。
でもこういう時って必ずNTTってパンクするから、だめだ。

あきらめて、明日TELすることにした。
HOTELに戻って、TVでCNN見てたら、すごい。
ずっと日本の事言ってる。
火事で街がゴーゴー燃えてて家がみんなペシャンコ。
みんな走り回ってる。
インタビューとかしてるんだけど、全部英語で吹き替えられてて何言ってんだかわかん
ない。
ずっとNHKとかTV Asahiの映像が流れてる。
でも、下に出てる文字だけはそのまま流れてるから、和歌山も大阪も無事かもしれない。
でも、わかんないよう。
明日、TELして聞くしかない。
今日はもう寝よう。

翌日へ    その頃、紀文は    その頃、佐予子は